嫌われモノのスギナについて

農家から嫌われモノの『スギナ』が酸性の痩せた土に多く散見されるのは有名な話

今日はそのスギナのちょっと特殊な生態に触れてみよう

まずよく公園とかで『つくし』が生えてるのを見た事がある人は多いだろう

このつくし、実はスギナと同じ植物で、土中の地下茎で繋がってるんだ

フキとふきのとうや、アスパラのオスメスの関係に近いものがあるかも

ただこのつくしは「胞子茎」と言って繁殖の役割、逆にスギナは「栄養茎」と言って光合成で養分合成の役割で分担している

“え?胞子?”

そう、つくし(スギナ)はシダ植物であり、種を作らずに胞子を飛ばして増える

キノコみたいだね☺️
しかもこのスギナ、空中戦では胞子を、地下戦では地下茎を容赦なく展開する歴戦の凄腕ソルジャーな訳だ

多くの農家から嫌われるのは、その繁殖力と再生力ゆえ

ちなみに地下の地下茎である“根茎”と“塊茎”、このダブルプレーでたとえトラクターに細かく切り刻まれてもそこからそれぞれにまた新たな芽を吹いてくる特別仕様

たまらないね🤤

あ、スギナ(杉菜)ってのは地上部が杉の形に似てるからみたいだ(確かに

面白いのはここからだ

このスギナ『ミネラルの宝庫』なんて言われるほどのミネラルが非常に豊富な植物なのはご存知な人も多いだろう

道の駅などでスギナ茶なんてよくみかけるよね
どれほどかって言うと

わかりやすいほうれん草と比較すると
・カルシウム155倍
・カリウム5倍
・マグネシウム3倍
と言うデータがあるくらい
(カルシウムエグいな🙄)

ここでカンの良い人は『おや?』と思わないだろうか

スギナは多くが酸性土壌にいるのになんで不足してるはずのアルカリ性のミネラル類が豊富なんだ?と

これ、まずスギナしか生えてない箇所があるとすると、そこはスギナしか残れないほどの余程の劣悪な環境ゆえにスギナが無双した結果ともとれて、ほぼ独壇場と化したわけ

このグラフでも解るように、酸性土壌だと植物に毒となりえるアルミニウム(A l)イオンがよく溶出しててね

スギナはこの毒を無効化出来る機構を実はそなえてるんだ

つまり、他の植物はその毒で生きられない環境でも平気な顔してスギナは生き残れるって構図

素晴らしいじゃないか

そこで無双モードに入りながらゆっくりとカルシウムとマグネシウムなどを吸収していけるってわけ

しかもスギナはカルシウムとマグネシウムをより好む性質があるようで、強力に、そう、あのダイソンの様に強力吸引するようなんだ

、、、
ここで更にカンの良い人は何かに気が付かないだろうか?

酸性からアルカリ性を精製し続けてるっていう機構に

何か見えてこないだろうか

『もしかして酸性に偏った土壌を正常に戻そうとしてる、、、?』

勿論アルカリを吸い上げて地上に上げてる時点で更に土は酸性化ともとれなくないが、長い目で見た時に植物体が枯れて分解、還元を繰り返した先に行き着くのは中和では?となる気がしなくもない

まるで高度な文明建設の為に環境破壊の限りを尽くしてたどり着いたナウシカの腐海の世界線の様な話だ

日本の気候と土壌的に土は放っておくと酸性に寄って痩せていくのだが、それに抵抗しているようにとれなくもないよね

まぁ、頻繁に間違われるスギナ地区に石灰散布でスギナを抑えるのは間違いで、どちらかと言うと実は中性が適正生育pHらしいからね
そこに落ち着かせたいだけなのかもね☺️

だから、これからはスギナが群生する土地を見かけたら『酸性の土壌だ!』ではなく、生命力が最強部類のスギナだけしか生き残れない程の何か異常事態なのかもしれない!って読んだ方がいいのかもね

こういう風に少しづつ自然界のメカニズムが解明されてくのは楽しいね😊

まぁ1番の理由が除草剤への耐性が大きいんだけどね🤣

必ず高濃度条件にスギナは出てるもんね

他が枯れてくのにスギナだけ残るからまた独占繁殖を繰り返せるっていう仕様

しかもかなり地下深くまで根を残せるようで『地獄草』なんて呼ばれたりしてるんだってさ(聞いた事は無い

何が言いたかったかって言うと
スギナの面白い生態と、こんな一見なんの役にも立たなそうな雑草も食用として食べられてきたり、地下に流亡する微量養分をポンプのように吸い上げては還元するように、土に養分を留めておく役割もあるって事

上手く出来てるよね😊

【追記】今やメルカリなどにスギナも売られてきている訳だが、Twitterのフォロワー様より教えて頂いたのは、スギナによく似たイヌスギナ(下画像)も間違って出回ってしまっているようで、このイヌスギナには弱い毒性もあり、出品者も購入者も互いに気をつけたい所だね