遊休農地のリアル

この度、新たな地主様よりご縁を頂き、熱海市では珍しい平面の面積が多い遊休農地(使われずに草刈りなどの最低限の管理はされていた農地)を有り難い事にお借りする事になった。

この一番下の段からの写真だとわかりやすいかな。

3段構成であるが一枚一枚が少し複雑な形状で、おそらく水路から水を引く為の理由でこの形となった様である。

 

熱海市ではかつて、山を切り開き、斜面をこのように石垣で段を作り、棚田として米の生産もやっていたのだ。

なので、地目上は『』ではなく『』にあたる個所がある。

当時は機械なんて無かった為、当然『手植え』『手刈り』での生産だった。

それが時代の流れと共に機械化、大規模化が主流となり、大型の機械も入れない、段々で効率も悪いこの地では、米の生産が廃れて行ったのは必然だった。

 

そんな農地でも、私からしたら平面であるだけ有り難い。そんな畑だ。

 

そして、下見の段階から気になっていた、そこのゴミ拾いからまずスタート。

見たことの無いラベルの空き缶が有るって事は、相当前から使われて無かった模様。

中には動物の骨( 猫かな?)

があったり、風で飛んできたと思われるビニール、ペットボトル、プラゴミの数々。

 

風化したビニールは拾う時に一苦労だ

持ち上げるとボロボロと崩れてしまい、そっと持ち上げないと後々回収が格段に大変になるからだ。

 

ここまではわかる。

畑あるあるでよくある事だ。

 

しかしCDウォークマンは如何なものか。

風じゃ飛ばないはずだ。

飛んだとしたらS◯NYさんに訴訟ものだ。

交通量の多い道路際の畑だと、心無いドライバーが窓からポイ捨てする事なんざ未だにザラにある事。

しかも、捨ててもしばらく残っている様子を確認すると、常習化してくる。

これもあるある。

完全にその人にとっては「捨ててもいい場所」に仕上がるのだ。

タイヤなどの処分にコストのかかる物も夜遅くにコッソリと捨てられ、翌日困った農家達が警察に通報し、撤去されると、今度は「ここに捨てたら持って行ってくれるんだ」思うのかしばらくするとまた捨てられている。

これもあるある。

ありすぎる。

ペットボトルやビールや酎ハイの空き缶がよく畑に捨てられる事があるが、お酒ってどうよ?飲酒運転だよなぁ?それで畑の隣走ってんのかよと、強い憤りを覚えるのは農家の皆一緒だと思う。

雑草だらけの畑じゃ、捨てて見えなくなるから丁度いいのかも知れない。そういう意味では、管理されていない畑が今後どんどん増えるという事は、心無いポイ捨てドライバー達に捨てる機会をみすみす与えているという事にもなるのかも知れない。

 

かく言うそんな私も昔、ポイ捨てをした事がある

そのとき捨てたゴミは私では無い『誰か』がきっと拾ってくれたのだと思う。そんな当時の自分の頭をスコップで思いっきり殴ってやりたいが、それは残念ながら出来ないので、過去から逃げず、過去を反省し、今目の前にある誰かが捨てたであろうゴミを拾おうと思う。私が捨てたよりも遥かに多くのゴミを拾おうと思う。過去は変えられないならせめて未来へ繋ごうと思う。

 

そんな無心になって過去を反省しながらゴミを拾い続けていると時間はあっと言う間に過ぎるもので、結構回収出来た。

 

キレイになったこの畑にこれから新たな命を芽吹かせる。

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