つい先日、Twitterで知り合った香川県の『和想農園』のワソさんから、待ち望んだワソッコリーなるブロッコリーが届いた
和想農園についてはこちら↓
【和想農園ホームページ】
https://wasounouen-1.jimdosite.com/
【和想農園ポケマル生産者ページ】
https://poke-m.com/producers/54228?related_article_type=products#detail_relation
そのワソッコリーを実食してみて、私なりの解釈で食レポを試みた訳だ
まずは視覚でご覧あれ↓
これが、他方面からご好評を頂いたのだが、実はこれには仕掛けがあって、、、
以下にその時の心の動きを文字に起こした
こちらが実は本丸
併せてお楽しみ頂けたらと思う↓
【ワソ氏を取り込んだ話】
今日(2020/11/06)
ワソ氏からのワソッコリーが配送拠点に着弾したとの通知が来た
すぐさまに取りに行く
裏から持ってこられ、目の前に置かれたコンパクトな箱からは、異様な雰囲気が漂っていた
梱包に細心の気を使う私をはじめ、同じ考えの人ならわかるだろう
細部に宿るワソ加減を私は見抜いた
これは、普段の彼を少なからず知っているからこそ感じられるその人間性、そして人間くさい人の温かみ、丸み、まろみ
そこに凝縮された気遣い、そしてそこに彼本人がそれを持って立っているのではないかと錯覚するような息遣いすら感じられる様だ
一体彼は中に何を込めたのか閉じ込めたのか
見た目より重く感じる、その軽くも重い包みを大事に両手で抱え、急ぎ足で軽トラへ乗り込む
するとどうだ
急に腹が鳴る
おかしい
あきらかにおかしい
先程、夕食は済ませたばかりなのだ
胃が、意識とは別でワソッコリーを取り込む為の準備を始めている
それはまるで、私がスイーツを、甘味を欲し、身体に糖分を取り込みたがる時と同じ動きのそれに少し似ている
だがこれはどうだ
順序が全くの逆だ
頭で糖分を欲している事を認識して『甘いものが食べたい』となってから別腹が順に空くのだが、この場合は先に別腹が動いたのだ
それはまさに胃が『今すぐに取り込め、黙って取り込め』と言わんばかりに、意識すらを置き去りにして身体が求めてしまっている
身体が全身全霊をかけてワソを取り込みたがっている
いや、もうこれはワソになりたがっている
いや『ワソりたがっている』と言う方が的確ではないか
はやる気持ちどころか、先走りはやる身体をなだめ、家に着く
ここでプライドがチャチャを入れる
全身全霊でワソを浴びたい
そうだ
成り行きでそのまま頂くなんて失礼だ
集中してタイマンで向き合うべきだ
身を清めよ、と
私は風呂に駆け込んだ
1日の汚れを落とし、身を清め、真っ向から彼に、真剣勝負でワソに向き合う為に
気を抜いたら一瞬でやられるからだ
本能が叫んでいる
まだ死ぬ訳にはいかない
風呂に入りながらも胃は加減を知らないようだ
さらにスペースを空けてくる
小腹というにはもう十分なスペースのはずなのにだ
、、、そうか
小腹ではなく本腹で迎え撃つと言う私の身体なりの意気込みか
なるほど
その覚悟、しかと受け取った
よほど生半可ではやられると胃の本能が叫ぶのだろう
いいだろう
よし
かかってこい
開封の儀だ
恐る恐る箱へ手を伸ばした
開封と同時に私は確信した
『ワソが渋滞しきってやがる』と
そこからは早いものだ
鍋に水を入れ火をつける
沸き立たせないように注意し、ヒートショックプロテインを最大化させる
後はかぶりつき、迎え撃つだけだ
鼻を近づけ、そこに確かに感じるワソッコリー
いざ尋常に勝負
かぶりついた
あらゆる情報が舌、鼻を通り渋滞を起こす
それもそのはず、私自身、ワソッコリーならぬブロッコリーをある時期大量に栽培していた事があるのだ
思い出す食感を過去の記憶から引っ張り、今、目の前の、口の中のものを確かに吟味しながら照らし合わせる
色んな思いが巡る
かなりのスピードだ
過去、現在、未来まで掻き回される気分だ
今、俺は何を食べている?
一体何に挑んでる?
この美味いとも形容し難いものは何だ?
ブロッコリーってこんな味だったか?
だとしたらかつて俺が作っていたものはなんだったのか?
一体俺は今何を食わされてるんだ?
ぐちゃぐちゃだ
口に入れたものの様に、咀嚼しながら何もかもがぐちゃぐちゃになった
目が泳ぐのが自分でもわかる
そのカオスの中でも、一つだけ必死にしがみついたものがある
それは、今自分が噛み締めているものは
“ブロッコリーじゃない、ワソッコリーなんだ”
という苦し紛れの言い訳の岩礁だった
噛み付いては咀嚼し、噛み付いては咀嚼しを繰り返し、今、咀嚼されてるのは目の前のこのワソッコリーではなく、私自身なのではないかという考えになんとか流れ着いた
ひねくれた私は、生産者同士の美味しい!の送り合いには心底飽き飽きしてしまっている
それは、みんな当然に美味いからだ
そんな私だから、美味しいは当たり前ベースに、もっと芯に触れて評価、感じた事をありのままに本人であるワソ氏にダイレクトに伝えたいと思った
伝える義務があると思った
このワソッコリーを通して感じた事で
ブロッコリーではないワソッコリーに挑んでみてあらゆる事が見えた
・野菜を頼んだのは、第一にあなたを感じたかったから
・その野菜を通してあなた自身を感じたかったから
・普段何気に接しているが、その人が作り手である以上、その人のジョブ(志事)が濃厚に込められた作物という結晶をナマで見たかった触りたかった感じたかった、そして味わいたかったから
・その味わいの濃厚さ、深さ、リアルさは普段の接触頻度に明らかに比例する
・もう、作物を味わっているのではなく、その人自身を味わっている
・理屈じゃなく、食べる前から既に身体が欲してしまっている
・小腹じゃ効かない、本腹で迎え撃たなければやられる
・もう食ですら無い、エンタメと言えば軽い、特にこのワソッコリーとの果たし合いは儀式に近いものがあった
・込められた想いは普段から知っている、不要。生き様?知っている、不要。人柄?触れている、不要。あらゆるものが積み上がった先にこのワソッコリー。直撃だ。身体が満足してしまっている。言葉にすることすら憚られる。美味しかったという当たり前の事よりも、身体に取り込めて今後の糧に出来た事に喜びを感じてしまっている
・自然と「頂きます」と手を合わせ、こうべを垂れてしまう、「頂きました、ご馳走様にございました」とワソ氏の顔を浮かべ、すがりにも似た感情で感謝の気持ちが湧き出てくる。ワソ氏は笑っている。
そんな気持ちの大渋滞を引き起こした
引き起こされた
いや『引き当てた』気分だ
実に気分が良い
アルコールでほろ酔いにも似た高揚感に包まれている
『ようやく本人と真に繋がれた思いだ』
普段からのワソ氏との些細な交流から始まり、彼を知り、彼を限られた情報を手繰り理解し、普段の何気ないやりとりからも彼の心情の動きを文字で表す言葉使いで少なからず感じてはいた
何を考え、何に挑み、何に心を動かすのか、何に向かって歩みを進めるのか、何の為に命を燃やすのか
その興味の集大成でこのタイミングでブロッコリーの花蕾の様に見事一花咲かされたわけだ
正に、“あっぱれ”の一言である
“ワソッコリー、あっぱれ”
“ワソ氏に未来永劫、幸あれ”
こう私は感じた次第である
その確かな想いをここに記す
親愛なるワソ氏へ
熱海のレモン🍋より
、、、、
こう、書き下ろした訳だ
全集中して挑まないと、持ってかれる気がしたのだ
この機会を通して、私は生産者である前に、人として大切なモノをワソ氏からワソッコリーを通して学ばせて頂いた気がする
生産者とは何か
農業とは何か
彼は確たる自分を持ち、彼の道を直向きに歩き続けている
それは日々の発言、行動、たまに出す過去の話から透けて見えていた
彼は彼なりに自分の人生に向き合い、もがき、懸命に生きている
命を日々手元に手繰り寄せているかのような生き方
それを農業として紡いでいるような男だ
そんな彼に毎日のように絡んでしまうのは、きっとどこかで彼の命の輝きの眩しさにあてられて私自身も引き寄せられてるのかもしれない
彼のTwitterのフォロワーの数を見てもそれは明らかだ
人間くさいんだよなぁ
生きてんだよなぁ
そんな、人間的な温かみのある彼をこれからも側で見届けていきたいと思う
何より、ユーモアもあって面白いしね🤣