柑橘マーマレード作成時に茹でこぼし工程を一気に省ける方法をついに発見

こちら、これまで長年に渡り個人的に各種の大学や企業の論文を探しては読み漁り、化学的、物理的、植物生理学的観点からかなり複合的に考えてきました

ついに辿りついてしまったようです

では参ります

まずは結論から↓

①洗浄段階で外皮超表層部に集結する果実全体の7割以上も占める苦味成分を物理的に除去

②外皮下の白いワタ部(アルベド)をピーラーなどで効率的に除去

以上

コレだけで時間のかかる茹でこぼし工程を短縮でき、大幅にマーマレード作成時間の短縮に成功しました

⚠️ただし、この方法だと相性の悪い作り方や果実特性などもあるので、それは追って説明していきます

まず、何度かこれまでX(旧:Twitter)の方でも取り上げてきた様に、この柑橘外皮の超表層部に全体の7割ほども占める柑橘の苦味成分の除去が最大リターンのある作業↓

【画像引用】https://astamuse.com/ja/published/JP/No/WO2016148152

ここの部位の除去においては、わさびや大根を削る金おろしで試された方もおりました(それでもしっかり苦手低減出来た笑)が、それだと柑橘の香り成分の入ったカプセル=表皮のツブツブ(油胞:ゆほう)まで潰してしまい、苦味と共に風味まで落としてしまう事になり少し違う、少し強過ぎると判断

そこで、過去に柑橘をお湯で洗浄中に軍手をしながら軽くこすり洗いしていた所、外皮表面の性質が変わる事に気がつき『もしや?』と思ったのに繋がり、、、

軍手程〜それ以上の摩擦力があり、より効率的に省力的に柑橘外皮の苦味成分を落とせるものはないか、、、ゴボウ洗い手袋だと削り過ぎてしまうし、、と探していた所『コレだ!』のものを発見↓

100均などでも売ってる手袋型のナイロンタワシ

コレだよコレ

こすり洗い前レモン
こすり洗い後レモン

表皮の撥水の仕方が変わったのがわかるでしょうか

こすり洗い前ビターオレンジ
こすり洗い後ビターオレンジ

コツは①45℃ほどのお湯で、②手の中でクルクルと回す様に少し強めに全体をこすり洗いするだけ

こすりが強過ぎると油胞が潰れて香りが手元から立ってくるからわかりやすいです

レモンなどだと利き手で果実半身を掴んで、もう片方の手の中で果実ごと手首をドリルの様に回しこすると楽なのと、八朔など中型〜大型柑橘だと二つの手で掴んで中心から外に向かってクルクルと撫で回す要領でこすり回していくとリズミカルで楽で良いです😉

こすり洗い後の八朔(テッカテカ笑)

ここまできたら、ほぼ苦味は落とせているので安心感が凄いですね

あとは外皮を剥き、最後の外皮下の白いワタ状の部分(アルベド)の除去でフィニッシュとなります

八朔だとより簡単で、ムッキーちゃん(柑橘剥き器)で外皮を4つに剥いた後に、更にそれぞれを半分に切り、アルベドをピーラーで削ります

↑ムッキーちゃん

裏から外皮表面の油胞がうっすら見えるくらいが丁度いいです😊

(コツとして)アルベドを削る時、ムッキーちゃんの内皮をカットする下側を裏返してピーラーで削る皮の下に置くと綺麗に削れます(これ、まな板の上で薄い外皮一枚をピーラーで削ろうとすると、この意味がわかります笑)

厚さ的にはこのくらい

あとは好みの厚さ、大きさにカットの上、グラニュー糖と一緒に煮詰めていくだけ

グラニュー糖と一緒に煮詰めていく

ザッとこんな感じです。

是非、過去にマーマレードを作ってはみたものの、苦くなってしまったという方は、このやり方を試してみてはいかがでしょうか😋

さて、今回マーマレードの作成のメインに使った八朔が実はかなりこのやり方に相性の良い果実でして

八朔は内皮(みかんで言うそのまま食べる果汁の詰まった房)も剥き、プリプリの果肉ごと煮ていくのでそこで落とされた内果皮は使われないのですが、実はこれもピンポイントで苦味低減に効いてましてね

そこにも苦味成分って八朔は含んでるので見事に除去される流れなんです

八朔は強い寒気に当たると果実が凍結し、内果皮の細胞が壊れ、苦味成分が果肉にまで浸出してしまうのですよね

余談ですが、近年だと販売店側の冬季の果実保存の教育がままならないのか、果実が一度凍結してしまって中身がスッカスカの高級柑橘が店頭に並んでクレームになってるのも見ますね

そして、最後にこのやり方だと相性の悪いかもしれないという点をあげていきますね

まずこれがあくまで個人的なマーマレード類の作成の時に主に使えるであろうハックという事

業者の方や大量に作る方は、むしろこの作業よりも一般的な茹でこぼして大量に苦味を抜く方法の方が結局手間がかからない事になりえる事

一つ一つ手洗いなんてしてられませんからね笑

ただし、人参洗い機の様なブラシの柔らかい洗浄機で一度に大量にコロコロと表面を洗って行くのならアリかも知れませんね🤔

人参洗い機

次に、鬼柚子(獅子柚子)の様な外皮の凹凸の激しい果実は洗浄がかなりシビアになる事が予想され、茹でこぼしの方が楽かもしれない点

果肉が果汁豊富型のオレンジやレモンなどは果汁を絞った後に、皮から内果皮の剥離工程を挟む点(と言っても皮との間に包丁を入れ、ベロンと剥けるので逆に速い事もあります笑)

そしてこれはマーマレード用がメインであり、昨今の外皮の薄い柑橘でピール作成の場合、外皮下の白いアルベド部の厚みまでを使いたい場合は削ぎ落とさず煮こぼしてそのまま使いたい所、、、用途によって知識を使い分けましょう

【後書き】

実際やってみて感じたのは、このやり方でやると茹でこぼしの時に共にどんどん揮発して飛んでいってしまう柑橘の香り成分を最小化でき、つまり香りのデリケートで大人しい日本柑橘側に光が差すのでは?と感じまして

実際、香りの大人しい八朔すらもかなり香りは強く出て、オレンジマーマレードと肩を並べるパンチに仕上がりまして(あれ?八朔マーマレードって普通もっと香りが大人しいよな?と笑)

結構このへんの知識、Xの方でも発信していたら『実は過去に作ったら苦くなってしまって、、』という声も多く、もっと簡単かつダイレクトに効果のある工程があれば、誰もがもっとシンプルに美味しいものが出来るよなぁと思ってたんですよね

何やらガチプロの方は本場で修行した時に果実丸ごと茹でてから作るやり方なんてのもあるみたいですね🤔ビターオレンジでもそのやり方で試してみましょうかね