肥料の三大要素のリン酸(P)について少し詳しく解説するよ

今回は肥料の三大要素と呼ばれる、チッソ(N)、リン酸(P)、カリウム(K)のPに触れるね

正しくはPはリンであり、リン酸はH3PO4をさすのね

食塩(Nacl=塩化ナトリウム)を水に溶かすとNa+とcl-にイオン化して別れるように、リン酸も基本PO4(3-)のイオン状態で植物の根から取り入れられるのね

ただし、このリン酸イオンPO4(3-)は土の中のカルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)と反応しちゃって、特にくっつく能力が強い順に鉄、アルミニウムと結合しちゃったリン酸は難溶性って言って水にも溶けづらい形になってしまうから植物にもとりこめない形になるのね

溶けないカプセル💊を飲んだみたいな

北海道に多く見られる火山性土が、特にリン酸を固定(難溶性に変化)してしまうのは、土中にアルミニウムが多く含まれるからだよ

土壌検査でリン酸(P)が多いのに欠乏が出るのは、確かにあるんだけど使えない形に変化してる事が多くあるね

その中でも、カルシウムとくっついてるリン酸(リン酸カルシウム)は鉄やアルミニウムのものよりも結合は弱く、土が弱酸性〜中性(p H6-7)付近で溶け出し、更に植物の根から出る酸によっても溶けるから植物にはよく使われやすいよ

でも諦めちゃいけない

その“あるんだけど使えない”リン酸も使う方法があってね

他の植物や微生物の活動の副産物として、またその死骸や腐植の分解過程で利用可能な形に変化するんだ

つまり、持続的に堆肥を入れる事でそのリン酸を活性化させる方法、またはその難溶性リン酸のまま取り込める強い植物(ソルゴーなどのイネ科が顕著)を緑肥として栽培してリン酸吸わせて植物体内で使える形に変換してもらった後にそのまますき込んでしまうってのも賢いやり方だ

微生物の力を借りるとしたら菌根菌と共生するタイプのマメ科の植物なども有効的に使って効率的にリン酸の供給をいきたいところ

この肥料の高騰の続く中、既にあるものを有効活用する手段をこの際に学ばれてみてはいかがだろうか