畑の隅に自家用のじゃがいもを毎年植えているのだが、
ある日、鍬で土を耕していると、土の中からこんなモノがコロコロと出て来た。
あまりも出て来るので、何かの卵だと思った。
しかし辺りに巣らしきものは何も無い。
感触はぷにゅぷにゅしている。
そして外見は土にまみれながらも、キレイな純白、パールのような色。
ますます不思議だ。
そこで、恐る恐る割ってみた。
すると、それこそ本当に真珠の様な物体が中から出て来た!
もの凄くキレイな色の!
もう、後には戻れない。
少しの未知への恐ろしさと、高鳴る胸と、抑えられぬ探究心。
さらにこの中には何が入っているのだろうか。
何かの生物?
何かが飛び出てくるのか?
もう、恐怖が単純に『知りたい』に食われてしまっていた。
ゆっくりとその真珠を割ってみる。
、、、、
んん。
え?
いやいやいや
なにこれ?
え?
そこに探していたような答えは無かった。
全てを開けてもなお残る不明感。
なにこれ?
あまりに頭の中の?が大きくなり、乱心しそうになり笑、自分の存在を確かめるように必死に辺りを探る。
するとどうだ、
あっちにも、
こっちにも、
ぽっこぽっこ頭を出しているではないか。
もう、気が狂いそうだった。
畑で。
一人で。
隅っこで。
夕暮れに。笑
なんなんだよ!?
俺をどうしたいんだよ!?
何がしたいんだよ!?
謎のパニックに襲われた。
これが一体なんなのか
なぜここにいるのか
いつからいたのか
何が目的なのか
人間、頭に?が3つ揃うと考えをシャットダウンするメカニズムの様なものがあったりなかったりで、そんなところだ。あまりに?が多すぎる。訳が分からなすぎる。
【追記】
どうやら、スッポンタケ科の『キツネノタイマツ』というキノコのようだ。
このキノコの更に下の部分を掘ってみると、
菌糸がびっしりと付いた枝がごろごろと出て来た。
なるほどね。
はー、安心した。
ちなみに、このキツネノタイマツというキノコ、この卵の様な皮を突き破り、赤いロウソクの様なキノコを伸ばすという。
あー、晴れた昼辺りに、しなびた赤い謎の物体がそういえば地面から生えてたわ!
あれか!
今年は雨が多く、そして気温もグッと上がったからキノコにとってはかなりいい条件が整ったみたいだね。
オニフスベの件もそうだしね。
来年は見れるかな?